ワキガの悩みを軽くするために知っておきたい10のこと

ワキガの悩みは、考えれば考えるほど深くなってしまう傾向があります。そんなときに大切なのは、ワキガとは何かという実態を正しく知ることです。
なぜならワキガという言葉そのものがとても曖昧で、悩みの対象がはっきりしにくいからです。
また近年はネット上で不安をあおって商品購入につなげるような情報も多く見られます。その影響で必要以上にワキガを不安に感じてしまう方も少なくありません。
ここではネット上にある誤解を見極めるために、ワキガについて知っておきたい10の情報をお伝えします。最後までお読みいただくことで、ワキガへの不安が少しでも軽くなれば幸いです。
1. そもそもワキガは曖昧なもの
1-1. ワキガとは何か
「ワキガとは何か」という問いに、誰もが納得できる明確な答えはありません。一般的には、アポクリン腺が発達している体質のことを指します。しかし、
- どのくらいアポクリン腺があればワキガなのか
- どのくらい汗が出ればワキガなのか
- どのようなニオイがどの程度あればワキガなのか
といった点には、明確な基準がありません。つまり、ワキガはとても曖昧な概念なのです。

体臭外来の専門医である五味先生は、あえて定義するならワキガとは「アポクリン腺が発達している体質で、個性的な体臭があり、その体臭を本人が気にしている状態」と説明されています。
この考え方では、どれほど体臭があっても本人が気にしていなければ悩みとしてのワキガにはなりません。反対に、本人が強く気にしていてもアポクリン腺が発達していなければ、医学的にはワキガ体質とは言い切れない場合があります。
まずは、ワキガが非常に曖昧なものであることを知っておきましょう。
1-2. 医師によるワキガの診断方法
医師がワキガを診断する際は、主にニオイの確認や問診を行います。たとえば脇の下のニオイを確認したり、衣類に黄ばみがつくか、家族にワキガ体質の人がいるかなどを聞いたりします。
これらは数値だけで判断できるものではありません。診断には医師の経験や感覚も関わるため、この点から見てもワキガは非常に曖昧なものだと言えます。

2. ワキガは必ずしも不快なニオイではない
ワキガ体質の人は日本人では10〜15%程度と言われることがあります。しかし、この数字には明確な根拠が示されていないケースもあります。
では実際に、他人に強い不快感を与えるほどの体臭がある人はどれほどいるのでしょうか。
清潔な生活を送っている方を前提にすると、ワキガ体質だからといって必ず強い不快臭がするわけではありません。
満員電車などで多くの人と近い距離になる場面を考えても、毎日のように耐えられないほど強いニオイの人に出会うことは多くないはずです。
もちろん人それぞれ体臭はあります。しかし、そのニオイが不快かどうかは別の話です。

3. ワキガ臭は複合臭で常に変化している
3-1. ワキガ臭はひとつのニオイではない
ワキガ臭は、アポクリン腺から出る汗を皮膚の常在菌が分解することで発生するとされています。
実際の体臭はそれだけではありません。エクリン腺から出る汗によるニオイや、皮脂の酸化臭なども混ざり合っています。つまりワキガ臭はひとつの単純なニオイではなく、さまざまなニオイが混ざった複合臭です。
さらに温度や湿度、体調、衣類の状態によっても変化します。そのため、日によってニオイの感じ方が変わることも珍しくありません。

3-2. ニオイを拡散しているのは衣類
体臭は皮膚から発生しますが、ニオイ物質をため込みやすいのは衣類です。
夏に腕から汗をかいても、露出している部分はそれほど強く臭わないことがあります。一方で靴下やインナーなど、衣類に覆われている部分はニオイが強くなりやすい傾向があります。
これは衣類に汗やニオイ成分が蓄積しやすいからです。
そのため着替えるだけでも体臭やワキガ臭が大きく軽減されることがあります。ワキガ臭を含む体臭対策では、肌だけでなく衣類へのケア、つまり経衣料消臭の視点も重要です。

4. ワキガは異性に好まれることもある
汗腺には主にエクリン腺とアポクリン腺があります。
エクリン腺は全身に分布し、体温調節のために汗を出します。一方アポクリン腺から出る汗は、個性的な体臭のもとになると考えられています。
体臭は人によって好みが分かれるものです。ある人には気になるニオイでも、別の人には魅力的に感じられることがあります。ワキガ体質だからといって、必ずマイナスに受け取られるわけではありません。

5. ワキガ臭が弱まる時間とは
ワキガ臭を含む体臭には、汗や皮脂、皮膚の常在菌、ニオイ物質が関係して発生します。
これらが一度リセットされるのが入浴直後です。汗や皮脂、ニオイ成分が洗い流されるため、入浴直後は体臭が弱まりやすい状態になります。ただし、お風呂から出た直後から汗は少しずつ出始めます。無臭に近い状態がずっと続くわけではありません。
また洗浄が大切だからといって、洗いすぎやゴシゴシ洗いは避けましょう。皮膚には常在菌が存在し、肌を守る役割もあります。強く洗いすぎると肌環境が乱れ、かえってニオイが気になりやすくなる場合があります。
入浴は夜に行い、朝は軽くシャワーを浴びる程度でも十分です。洗うときは泡を使い、素手でやさしく洗ってしっかりすすぎましょう。

6. 世界的に見ればワキガは珍しくない
日本では体臭をできるだけ抑えることが好まれる傾向があります。そのため少し個性的な体臭があるだけで気にしてしまう方も少なくありません。
世界的に見ると体臭の捉え方は国や文化によって大きく異なります。
欧米では体臭をその人の個性として受け止める文化もあります。日本人の「みんなと同じでいたい」という感覚が、ワキガの悩みを深くしている面もあるのかもしれません。

7. ワキガの悩みは心理的な影響も大きい
ワキガの悩みは、実際のニオイの強さだけでなく、心理的な影響も大きく関係します。

7-1. 意識するほど強く感じやすい
私たちの感覚は、意識を向けるほど敏感になります。たとえば、悩みごとがあると食事の味を覚えていないことがあります。これは意識が悩みに集中しているためです。
反対に、ワインのソムリエや料理人は、味や香りに集中することで、非常に細かい違いを感じ取ります。ニオイも同じです。「自分は臭っているのではないか」と考え続けるほど、通常よりも敏感に感じてしまうことがあります。
エチケットとしての配慮は大切ですが、気にしすぎると不安が強くなることも知っておきましょう。

7-2. 「気にしない」と思うほど意識してしまう
「ワキガ臭を気にしない」と自分に言い聞かせるほど、逆に意識してしまうことがあります。たとえば「黄色い象を想像しないでください」と言われると、かえって黄色い象を思い浮かべてしまうようなものです。
ワキガへの不安を和らげるには、「気にしない」と無理に考えるより、清潔な生活を心がけたうえで仕事や趣味など別のことに意識を向けることが大切です。
8. 不安をあおる情報には注意が必要
ワキガ対策や体臭ケアの商品はネット上でも多く販売されています。
悩みが深いほど、解決できそうな商品に頼りたくなるのは自然なことです。しかし中には、不安をあおる表現で商品購入につなげる情報もあります。

8-1. ワキガクリームの抗菌力だけで判断しない
多くのワキガクリームには抗菌成分や制汗成分が配合されています。
もちろん抗菌や制汗は大切な要素ですが、実験室での結果と実際の体では条件が異なります。汗は常に出ますし、クリームは汗で流れることもあります。衣類に汗が付着してニオイが発生する場合、肌に塗るクリームだけでは十分に対応できないこともあります。
価格が高いから効果が高いとは限りません。成分や使用目的を確認し、自分に合うものを選ぶことが大切です。

8-2. エキス配合の表現に注意する
ワキガクリームなどには、さまざまな植物エキスが配合されていることがあります。エキスが入っているからといって、必ず体臭ケアに大きな効果があるとは限りません。配合量がごく少ない場合もあります。
「多数のエキス配合」といった表現だけで判断せず、成分表示や配合目的を確認しましょう。

8-3. 臭気計の数値だけで判断しない
最近は臭気計の数値を使って商品の効果を示すサイトもあります。臭気計は測定環境や温度、湿度によって数値が変わることがあります。また体臭は複数のニオイが混ざったものなので、数値だけで正確に判断するのは難しい場合があります。
あくまで参考の一つとして見ることが大切です。
8-4. アフィリエイト情報には注意する
「ワキガ対策」と検索すると、商品ランキング形式のサイトが多く表示されます。
中には報酬の高い商品を上位に掲載しているサイトもあります。ランキングだからといって、必ずしも本当におすすめ順とは限りません。
情報の信頼性を判断するには、サイト運営者の会社名、住所、連絡先などが明記されているかを確認しましょう。運営者情報が不明確なサイトは、慎重に見ることをおすすめします。

9. 体臭は大切な個性でもある
人の顔や声がそれぞれ違うように、体臭も一人ひとり異なります。
もちろん不衛生による強い体臭はケアが必要です。しかし毎日お風呂に入るなど清潔な生活を送っているうえでの体臭は、その人らしさの一部でもあります。
赤ちゃんのやさしいニオイ、家族の安心するニオイ、恋人の落ち着くニオイ。人は無意識のうちに、ニオイから相手らしさを感じ取っています。体臭は、決して悪いものだけではありません。
10. まとめ|ワキガでも人に好かれる人はいる
これまで、我慢できないほど強いワキガ臭の人に出会ったことはどれほどあるでしょうか。
個性的な体臭の人は確かにいます。しかし清潔な生活をしている方であれば、周囲が耐えられないほど不快に感じるケースは多くありません。
少し強めの体臭であっても不快に感じない人もいます。ニオイにも相性があります。清潔やエチケットは大切です。しかし、必要以上に自分を責める必要はありません。
ワキガ対策は「不安を消すこと」ではなく、清潔と衣類ケアを続けながら、自分らしく過ごすための習慣です。この記事が、ワキガで悩んでいる方の気持ちを少しでも軽くするきっかけになれば幸いです。
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この記事を書いた人村上 隆/体臭ケアアドバイザー
株式会社興和堂 代表取締役 -
2004年に消臭の世界に飛び込む。
医師や消臭機能開発者との交流を深めながら商品開発を進めた結果、臭わないデオルシャツやソックス等の様々な消臭商品開発に繋がっていく。
「体臭が他人に臭うのは衣類が主原因である」という理論を提唱するとTV・新聞・雑誌など様々なメディアから取り上げられ「NHKおはよう日本」をはじめテレビ各局にも出演。
2019年YouTube体臭対策チャンネルを開設。どうして体臭が臭ってしまうかという原因を専門用語を出来るだけ使わず分かりやすく解説したチャンネルは累計160万再生を更新中
また20年に渡り体臭ケアの相談を受けて来た経験から、体臭ケアアドバイザーとして体臭の悩み相談コーナーをLINEで展開中。日々数多くの体臭相談を受けている。












