「汗臭」のお悩み

（４）『臭い（ニオイ）』とは何か？
その不思議な世界を徹底解説

ここでは、臭い（ニオイ）を出来るだけ分かりやすく説明したいと思います。もしかしたら少しだけ難しい言葉が出てくるかもしれませんが、ご了承ください。

臭い（ニオイ）は、私たちの生活に深く関わっているにもかかわらず、その正体は意外と知られていないのではないようです。目に見えないけれど確かに存在する、不思議な臭いの世界を探検してみましょう！

そもそも『臭い』とは？

臭いは空気中に浮遊するとても小さなニオイ物質です。そのニオイ物質が鼻の奥にある臭いを受け取るセンサー器官(嗅覚受容体)にキャッチされ、その電気信号が脳に伝達されることで人はニオイを感じることになります。

ニオイは多くの場合、目には見えないですが物質として身の回りに存在し、その物質が私たちの嗅覚センターにキャッチされることで認識できる感覚のひとつなのです。

ニオイ物質とは？

ニオイ物質とは空気中に浮遊している物質で、私たちの嗅覚を刺激し、臭いを感じさせる化学物質のことです。無臭の気体も存在するように、すべての物質が必ずしも臭いを感じさせるわけではありません。空気中に浮遊する物質の中で、人間が臭いを感じることができる物質（嗅覚を『ニオイ物質』と呼んでいるのです。

人間の嗅覚は数万～十数万種類の臭い物質を識別できると言われています。（犬はなんと人間の約1億倍の嗅覚を持つと言われています！）

これらのニオイ物質は、多くの場合気体（ガス状態）として存在し、空気中を漂っています。そして鼻に入り込んだ臭い物質が、約400種類あるとも言われている私たちの嗅覚受容体に複雑に働きかけることで、私たちはさまざまな臭いを感じることができるのです。

体臭が他人に伝わる仕組み

例えばAさんが汗をかいたとします。
汗そのものは無臭ですが、皮膚や衣類に存在する細菌が汗を食べて繁殖する際に老廃物としてニオイ物質を生成します。菌が汗を食べれば食べるほど細菌たちの繁殖が活発になり、ニオイ物質も大量に空気中に放出してしまいます。

このニオイ物質が空気中を漂い、Bさんが息を吸った際にAさんから発生したニオイ物質がBさんの鼻に入り込みます。Bさんの鼻に入り込んだニオイ物質は、Bさんの嗅覚受容体に働きかけて「汗の臭いだ…！」とBさんの脳が判断します。このような仕組みでBさんはAさんの体臭を感じるのです。

体臭は必ずしも不快な臭いではない

不思議な話になりますが、体臭というと不快な臭いをイメージする人が多いかもしれません。しかし、体臭は必ずしも嫌な臭いとは限りません。

好きな人の体臭は、心地よい香りに感じることがあります。これは体臭が記憶や感情と深く結びついているためです。

同じ人の体臭であっても、ある人にとっては「いいにおい…！」と感じ、別の人にとっては「いやなにおい…。」と感じることは経験があるのではないでしょうか。

臭いを感じる仕組みはまったく同じでも、「良い臭い」か「悪い臭い」かの好みはその人の経験やその時の感情、体調によって大きく変化するのです。

…不思議ですよね？？

ワキガ臭を好む人もいる

ワキガ臭は嫌な臭いと思われがちですが、ワキガ臭を好む人も存在します。

ワキガ臭はフェロモンのような役割を果たすとも言われており、異性にとって魅力的な香りに感じられることがあります。もちろん感じ方には個人差があり、すべての人がワキガ臭を好むわけではありませんが、その逆もしかり。すべての人がワキガ臭を嫌うわけでもないのです。

実際に感じる臭いは混合臭

私たちが普段感じている臭いは一種類のニオイ物質ではなく、複数のニオイ物質が混ざり合った「複合臭」であることがほとんどです。

例えばタバコの臭いは、数百種類の臭い物質が混ざり合ってできています。体臭も同様に体から分泌されるさまざまな種類の汗や皮脂、そしてそれを好むさまざまな細菌、そして細菌の繁殖により生成されるさまざまな種類のニオイ物質が混ざり合い、複雑な臭いを形成しているのです。

体臭とひとことで言われますが、頭から出る頭臭、口から出る口臭、年を重ねる毎に出る加齢臭など、こちらも様々なニオイ物質が混ざり合っていますので、体臭は100%複合臭なのです。

体臭は自然なもの

毎日お風呂に入っていても、衣類をきちんと洗濯していても、どんなに清潔にしていても多少の体臭はどなたにでもある自然なものです。過剰に気にする必要はまったくありませんが、社会生活を送る上で人とのかかわりは切っても切れないものです。エチケットとして適切な対策を心がけましょう。

次の記事：（５）自分のニオイに気がつかない理由

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